自民党の改憲草案が成立した場合、日本は大きく変わると考えられます。
**憲法の基本原則の変更**
現行憲法では、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重が三大原則として掲げられています。しかし、自民党の改憲草案では、これらの原則に次のような変更が加えられます。
* **国民主権の強化**
現行憲法では、国民主権は「主権は国民に存する」と規定されています。しかし、自民党の改憲草案では、国民主権を「主権は国民に存し、その主権は、国会、内閣及び裁判所に行使される」と規定し、国会や内閣の権限を強化します。
* **平和主義の明確化**
現行憲法では、平和主義は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争は、永久にこれを放棄する」と規定されています。しかし、自民党の改憲草案では、平和主義を「国は、国際平和の維持と発展に積極的に寄与する」と規定し、自衛権の行使を明確にします。
* **基本的人権の制限**
現行憲法では、基本的人権は「何人も、憲法で保障する基本的人権の享有を妨げられない」と規定されています。しかし、自民党の改憲草案では、基本的人権の制限を認める規定が追加されます。
**憲法の具体的内容の変更**
自民党の改憲草案では、具体的な内容についても、次のような変更が加えられます。
* **天皇の地位の明確化**
現行憲法では、天皇は「象徴」と規定されています。しかし、自民党の改憲草案では、天皇を「日本国の元首」と規定し、その地位を明確にします。
* **国防軍の創設**
現行憲法では、戦力の不保持と交戦権の否認が規定されています。しかし、自民党の改憲草案では、自衛隊を「国防軍」と改称し、その役割を明確にします。
* **緊急事態条項の創設**
現行憲法では、緊急事態に対する規定はありません。しかし、自民党の改憲草案では、緊急事態の宣言を可能とし、内閣の権限を強化します。
**日本への影響**
自民党の改憲草案が成立した場合、日本は次のような影響を受けると考えられます。
* **国防力の強化**
自衛隊の名称が「国防軍」に改称され、その役割が明確化されることで、日本はより積極的に自衛権を行使するようになる可能性があります。
* **内閣の権限強化**
緊急事態条項の創設や国防軍の創設により、内閣の権限が強化されることで、民主主義の退潮や権威主義の台頭が懸念されます。
* **基本的人権の制限**
基本的人権の制限を認める規定が追加されることで、表現の自由や集会・結社の自由などの人権が制限される可能性があります。
このように、自民党の改憲草案が成立した場合、日本は大きく変わる可能性があります。その影響は、日本国内だけでなく、国際社会にも波及すると考えられます。